作:りと
短期連載・りとの癒し系紙芝居~夏の終わりに~最終回・そして序章
四季にぃとりなちーがお堂を目差して暗闇へと消えて行ったあと、残されたメンバーは次はだれが行くか決るために引き続きくじをひいていました。
肝試しの恐怖におびえていたり、先陣を切った2人に対しての複雑な気持ちを胸に秘めたり、それはそれは10代の肝試しにふさわしい雰囲気です。
ぼそっと箱が言います
「こんな暗がりで男と女が2人っきり…ひっひっひ」
「こーら!箱!!」
と同時に水綺ちゃんのしつけパンチが放たれました。
「はン!!いつもいつもくらってられるかって―ヘブッ!!」
ふだんと何も変わらないと思われたそのパンチ、今回は「純情な乙女心パワー」が上乗せされていたのです。
箱は瀕死の重傷を負いました。
全治5ヶ月です。
「そろそろかえってくるかな~?」
愛珠ちゃんが言います。
「あ、見えてきたよ~。おーい!ちゃんとお堂まで行って呪文を唱えてきた~?……って、なんで2人とも走ってるの!!?」
そうです、四季くんとりなちーはオバケに追われていたのです!!そう、前回の北斗神拳とトゥシューズの顔のまま…、かどうかはご想像にお任せします。
「おいッ!!お前等も逃げろー!!」
「え?何??何言ってんの!?ってうわッ!!何か白いのがッ!!白いのが!!?」
緊迫したシーンの描写をりとに求めないで下さい。
他のメンバーもオバケに気付いた→一瞬みんなパニクる→ハタと状況を把握して一斉に逃げる。という流れを各自脳内補完の後、続きをお読みください。
ビターン!!
「あうー!!」
あゆあゆが転んでしまいました!!
お約束です。
オバケがせまります、あゆあゆ絶体絶命!!
「たたたた…たすたすーたすー+たす~!!」
「ウラメシニャ~、ウシシ。トリアエズこいつ二ねこまたノ呪イヲカケテヤルニャ~。ねこみみとねこ手トねこ尻尾が生エテ、語尾が『~にゃ』ニナル恐ロシイ呪いにゃ~」
ブバーッ!!
四季にぃが鼻血を吹いて倒れました。
こんなところにも影響を与えるとは…恐るべしネコマタの呪い…!!
「サアー!!喰ラウガイイニャ~!!」
「危ないッ!!あゆー!!」
「キャー!!」
誰もが、ネコマタの呪いでネコミミをはやしてしまったあゆあゆを想像してしまった(そして可愛いなあ…って思った)そのとき。
暗闇を切り裂いて閃光が煌いたッ!!かと思うと、1人の少女がッ!!!
……ドガッ!!
ヒップアタックでオバケを吹っ飛ばしてしまいました!!
皆唖然としています。
「…ナイスヒップ!!」
そう言った箱の表情は今までにないくらいすがすがしいものでした。そのヒップは、箱の全治5ヶ月の怪我も治してしまうくらいのナイスっぷりだったのでしょう。
はッ!!と愛沙ちゃんが気付きます。
「あ!ジュリアちゃん!?ジュリアちゃんだよ~☆」
「ジュリア?ジュリアって、こないだアメリカから来るって手紙がきたコか?」
四季くんの鼻からはもう、血は出ていません。キメるときはキメる男です。
「オーウ、大丈夫でしたかぞな?少年~?」
「う…うん…。あり…ありありありあ蟻」
あゆあゆは腰が抜けて呂律もまわっていません。
少女は愛沙ちゃんの方を向きました。
「ひさしブーりね~、アイサー☆」
そういうとその少女は、くったくのない笑顔を見せたのでした。
夏の終わりに、GCには新しいキャラが仲間入りするのでした☆
「……って、この紙芝居ワタシが主役じゃなかったの!?」
あんぐりりなちー、これぞマイク水野もビックリの大どんでん返し☆ですな♪