作:りと
短期連載・りとの癒し系紙芝居~夏の終わりに~
淡い月明かりの中、りなちーと四季にぃはお堂をめざして歩いて行きました。
りなちーはふと四季にぃの方を見ました。
月の光が当てられて、何処か憂いを帯びた四季にぃの顔は通常の3倍くらいの美形っぷりです。
これにはさすがに、普段なんとも思っていないりなちーもドキッとします。
「はぁ…、みずきと愛沙ちゃんが夢中になるわけだわ…」
ついボソッと口にしてしまいます。
それに気がついた四季にぃが言います
「ん?何か言ったか?」
「いや…、べつに~」
「そうか」
四季にぃはりなちーの言葉にあまり興味が無いようです。
それもそのはず。今、四季にぃの頭の中をめぐってることはただひとつ。
(あゆ、大丈夫だろうな?だれとペアになるんだろうか?あゆはちーが苦手だからなぁ…。ちーとはならなければいいが…ちーもいいやつなんだが、何故あゆは懐かないのか…?あゆを虐めたら、ちーでも許さん!!)
四季にぃはちーが昼と夜で人格が入れ替わることに気がついてないのです。彼もまた天然です。
…………。
「あれ?」
前方に青白い光が2つ見えて来ました。
2人がよくよく見ると「ソレ」は幽霊の様に見えます。
「わぁ、凄いねこれ。よくできてる~vv誰が仕掛けたんだろ?」
「そうだな…(誰だこんなもの仕掛けたのは?あゆが見たら驚いて泣いてしまうじゃないか!…しかたない片付けておくか)」
四季にぃが手を差し伸べたそのとき。
!!!!
なんと、四季にぃの手は「それ」をすりぬけてしまいました。
まさか…本物!!?
2人に衝撃が走ります!
その衝撃に思わず四季にぃの顔は北斗神拳が放てそうな顔になります!
となりのりなちーは、トゥシューズに画びょうを入れられた人みたいな顔になってます!!
またこんなコトして…りとはこの2人のファンに殺されてもいいのでしょうか!?
「ウラメシニャ~…」
「ウラメシモジャ~…」
「お…、おい!梨菜!!逃げるぞっ!!」
「う、うん!!」
最早この絵の何処が「癒し系」なのか…